斬れ味を確認する試し斬り

日本刀は武器であるために、その斬れ味は非常に重要なポイントとなります。どれだけ斬れるのかを確認するには、当然ながら実戦で人を斬れば分かります。しかし時代の移り変わりと共に実戦で刀を使用する機会も減っていったために、刑死した人間の体を使って試しに斬るという「試し斬り」が行われるようになりました。斬首をして亡くなった人の死体を試し斬りする場合には、体の部分によって硬さが違いました。例えば骨の多い部分と少ない部分を斬った場合には斬れ味が違ってしまうため、刀の鋭さを見るためには、どの部分を試し斬りしたのかを明確にしておく必要がありました。そのため、胴体にはさまざまな名称がつけられており、どこを斬ったのかを分かりやすくしておきました。ほとんどの場合真横に斬りますが、首の下辺りから下腹の辺りまでを、上から順に摺付け、脇毛、一の胴、二の胴、三の胴、本胴、八枚目、車先、間の車、諸車と呼んで区別していました。別には首の横から脇の下までを斜めに斬る小袈裟、大袈裟と呼ばれる斬り方もありました。さらに胴体も一つだけではなく、いくつかを重ねることで難易度を上げていきました。これは一つ胴、二つ胴と呼んでいます。胴体は土壇と呼ばれる土で作った台に寝かせられています。試し斬りをしたときの記録に「土壇払い」「土壇払イ」と書かれることがありますが、これは胴体を完全に切断し、土壇まで刃が届いたということになります。また、鍔の部分に重量をつけて重さをつけることで斬りやすくしていたこともあったそうです。そのため「二つ胴 無鍔 裁断」というと、鍔で重さをつけずに二つの体を斬ることができたと言えるので、斬れ味が良かったものと伝わります。

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